共犯者
放送データ
放送日:2003年10月15日 - 12月17日 水曜10時 全10回
制作:日本テレビ
プロデューサー:伊藤響 北島和久 大塚泰之
脚本:秦建日子
演出 :大谷太郎
音楽:吉川慶
出演:浅野温子 三上博史 佐野史郎 池内博之 奥菜恵 さとう珠緒
有坂来瞳 乙葉 はしのえみ 松尾れい子 小野真弓
吹越満 宇梶剛士 中山忍 黒部進 石橋蓮司
主題歌:オープニング 川口大輔「HIGH CRIME」
エンディング Skoop On Somebody「琥珀の月」
※水曜ドラマシリーズ初の地上デジタル放送なんだそうです。
作品のあらすじ
GSカードに勤めるOLの美咲(浅野温子)は真面目に勤め、定時で仕事を終えすぐさま帰宅するような地味な生活をする女性。しかし、実は15年前に親友・紗江(中山忍)を殺したうえ隠蔽しており、その殺人の時効を息をひそめて待っているという秘密があった…あと2ヶ月で時効となる…そんなある日、謎の男・マサト(三上博史)が美咲の前に現れ、殺人を「知っている」と告げる。そして自分を脅迫者だと名乗り、秘密を守るかわりに一緒に暮らすという条件を出した。条件をのむしかない美咲。だがその男の出現から、美咲の生活が狂い始め…あらたな殺人事件が起きた…
ドラマの見どころ(独断と偏見)
いきなりわたくし、工藤の話になって恐縮であるが…2003年ころはあまり腰を据えてドラマを観ていなかった時期だった。音楽活動をしていたり、インターネットの世界にのめりこんでいたのも影響していたが、ドラマを熱心に観ていた記憶があまりない。
…しかし、工藤の記憶にないだけで、2003年は比較的ドラマの当たり年だった様子。
「ごくせん」「WATER BOYS」「GOOD LUCK!」「トリック」「ショムニ」「すいか」「特命係長只野仁」のほか、私の中ではすっかり忘れてた「高校教師(主演は藤木直人と上戸彩)」のリメイクや「白い巨塔(主演は唐沢寿明)」のリメイクなんかも2003年。
あれれ?工藤は何を観ていたんだ?と記憶をたどると、この時期は「八丁堀の七人」などのレギュラー時代劇や「おみやさん」「京都迷宮案内」「京都地検の女」などの東映の連続ミステリードラマを観ていた記憶がある。あとは2時間ドラマ。
そんな感じで青春ドラマや恋愛ドラマには目もくれずに迎えた2003年10月。ドラマ離れしていた私の興味を引く2本が登場した。それはフジテレビ火曜21時のホラードラマ「あなたの隣に誰かいる」と、日本テレビ水曜22時のサスペンスドラマ「共犯者」である。
「あなたの隣に誰かいる」に関しては、坂本裕二さん脚本・いかりや長介さんが出る…ということでかなり注目していたが途中で挫折…(要因は色々あるがここでは割愛)
しかしこの「共犯者」は主演が浅野温子さん&三上博史さんのトレンディ俳優二人!
そしてわが愛しの佐野史郎さん!さらに怪しい石橋蓮司さん!(笑)
最初からフルスロットル!!これを観なくてどうするの!?という布陣で攻めてきたので最終回まで見届けることにした。
前置きが長くなってしまったがここからが本筋。
「共犯者」は2003年7月から撮影がスタートし、放送開始までに全話を撮り終えるという体制をとっていたとのこと(佐野さんのオフィシャルサイトより)。これは当時の民放の連続ドラマとしては珍しいスタイルではなかろうか?
ただ、サスペンス連続ドラマの場合、真相がはっきりしてなければ演者も演出家もやりかたが変わると思うし…ホンが最終回まで出来上がっている状態でクランクインするのは妥当だっただろう。役者としては幸せな状況だったと思われる。
物語はカード会社「GSカード」を中心に展開。脚本を手掛けている秦建日子さんがもとJCBにお勤めだったせいなのか、ドラマの職場の雰囲気や設定が結構リアル。
静かに時効を迎えるはずだった美咲。ただ、刑事の木場(石橋蓮司)は15年前の事件に美咲が関与しているとにらんでおりずっとマークして嗅ぎまわっている。ある日マサトが現れて、美咲の身辺をかき回していくのだが…勘のいい視聴者だと前半にいろいろな秘密に気が付いてしまう仕掛けになっている。しかし後半はその秘密の答え合わせのような構造になっており、よくできた脚本だと思う(上から目線)。
キャスト全員にそれぞれ見せ場があるが、やはり注目したいのは三上博史さん演じるマサト。マサトはいつも上機嫌だが真意が見えない。美咲の感情を逆なでしたり、時に不安に思う美咲を優しく包んであげたり、秘密を知ってしまった人を殺してくれたり(!?)する。(かなりハイテンションなのだが、その様子はさながら「あなただけ見えない」の明美だ)実際に付き合うとかなり面倒そうな男だが、姿かたちが「三上博史」なので許そう(上から目線その2)。
そのほか、大好きなのでもっとあれこれ語りたいのだが、あんまり詳細を書くとすぐネタバレになってしまって面白くない…気がするので佐野さんの見どころをとっとと書いてしまおう(笑)。
佐野さんの役どころはGSカードの常務・中尾文彦。日ごろ、美咲のことを心配しているそぶりを見せる(沙粧と池波を思い出させる組み合わせにワクワク)。
中尾は15年前の事件を知っていて、どうやら美咲と恋仲だったらしい…美咲を気にかけているようだ…が、そこはやはり佐野史郎(笑)。ただの真面目でいい人なわけがないといった感じ…。いろいろにおわせつつ同じ会社の恭子(松尾れい子)と恋愛中…上司と部下…オフィスラブ…妄想が止まらない…(横道にそれる工藤)
その恭子と中尾常務のやりとりがなかなかの見ものです。第5話ですね。
中尾文彦はちと訳アリでいままで一度も彼女を自宅にあげたことがない。それは15年前の事件と関係があるからなのだが、恭子は事情が分からず「自宅にあげないのはなぜなのか?」と疑う。その彼女を安心させるかのように中尾常務がいうのがこのセリフ
「あと1ヶ月したら僕は君を招待しよう」
そして、「なぜ1か月?」とその理由を尋ねる恭子に中尾常務は
キスしながらその理由をもごもご言うんです!!
あー!(悶絶)
工藤は「ギャップ萌え」を患っており(笑)、普段はクールなキャラクターが、突然情熱的になったり、優しくなったりすると「好き…!」ってなってしまうんですよ(ちょろい)佐野さんの演じる人物というのはそういうのが結構ありまして…この中尾常務も例外ではない怪しい魅力のある人です。(恭子にその場限りの言葉をかけたのかと思いきや、ちゃんと指輪を用意してあったし…)
色っぽいシーンはそれくらいなのですが(笑)、中尾常務がどういう風に15年前の事件に絡んでいるのか、そして美咲との関係…中尾常務の真の顔とは…?
物語の本筋にドキドキハラハラしながら中尾常務にもぜひ注目していただけたらと思います!
佐野史郎さんの役どころデータ
役名:中尾文彦(なかおふみひこ)
職業:GSカード 計算課 常務
女性関係:沢井恭子と結婚するつもり。美咲は元カノらしい。
真面目に計算課を取り仕切る常務。美咲とは長い付き合いらしく15年前の事件をもちろん知っている。美咲と恋仲だったのか…どこか監視をしているような目線でもある。
同じオフィスで働く恭子と付き合っており結婚の約束をするが…