S.R.I(ShiroSano Research Institute)

佐野史郎さんを愛し、佐野さん出演作を研究する研究所

土曜ドラマ24 銀と金「セザンヌ編」(2017)

土曜ドラマ24 銀と金セザンヌ編」

放送データ

放送日:2017年1月8日 - 3月26日 日曜0時 全12回

原作:福本伸行銀と金」(双葉社
プロデューサー:松本拓 倉地雄大 北川俊樹(大映テレビ
チーフプロデューサー:浅野太
脚本:山岡潤平 根本ノンジ
監督 :古厩智之 中前勇児
音楽:諸橋邦行
制作協力:大映テレビ
製作著作:テレビ東京
出演:池松壮亮 リリー・フランキー マキタスポーツ 臼田あさ美 村上淳 ほか
オープニング : amazarashi「ヒーロー」

作品のあらすじ

「銀王」と呼ばれる裏社会のフィクサー・平井銀二(リリー・フランキー)と、それに見いだされて才能を開花させ、やがて銀を超える「金」になるという望みを抱く青年・森田鉄雄(池松壮亮)というふたりの男が日本の裏世界を舞台に、欲望むき出しの権力者たちに怒涛の心理戦を仕掛け、金を奪い取っていく。搾取される側から搾取する側へ!スリリングでブラックな勧善懲悪エンターテイメントストーリー。

※佐野さんは「セザンヌ編」(4話~6話)にご出演

森田(池松壮亮)は、青木美沙(鉢嶺杏奈)を助け、アルバイト先である中島画商を訪れる。画家を目指している美沙は中島(佐野史郎)のもとで美術界にはばたくチャンスを狙いつつ、中島画商の店員をしていた。

森田は、美沙を巻き込んで絵画で中島にギャンブルを仕掛けようと決める。

そのギャンブルとは『3枚の絵の中から本物のセザンヌの絵画を当てる』というもの。
ただし、勝負には3つの条件があって…

ドラマの見どころ(独断と偏見)

深夜ドラマは「ドラマの挑戦枠」。子供が眼にしにくい&ファミリーで観る時間帯ではない…という観点からか縛りがゆるく、過激だったり、ブラックだったりエロスだったり…とマニアックなものや観る人を選ぶものが多い。いろいろな種類のドラマが誕生しやすい。

このドラマも例にもれずなかなか刺激的な内容で、もともと漫画が原作。作者は福本伸行先生。工藤はあまり詳しくないが『賭博黙示録カイジ』『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』などのヒット作をうみだした漫画家である。インパクトのある独特な絵柄と強烈な心理描写が売り。この『銀と金』もまたしかり…権力者から心理戦で金をむしり取るブラックでスリルある勧善懲悪ドラマ。深夜ドラマにうってつけな内容といっていい。

ブラックなドキドキハラハラ…ざわざわ…正直、わたしは苦手な部類の作風である。威張ってるやつらをぎゃふんと言わせる展開に、視聴者は「すっきりした」感覚になるのだろうが、騙し騙されという展開は個人的にどうもムズムズしてしまう。これはわたしの性格の問題であって、むしろ作品としては優秀なのだと思うのだが…ムズムズ。


そんな苦手な部類のドラマであっても、
佐野史郎様が出演したならば一度はこの眼で観る!
というのがポリシーの工藤。配信サービスを利用していざ鑑賞。
(以下、ややネタバレかもしれません)

佐野さんは中島という画商の役。
インテリ・芸術肌・女癖が悪い・人の器が小さいくせにプライドが高い…
佐野さんへ頼みがちな人物像が集約されている(笑)。やはり観るのがキツいぞーと思いながらもなんとか堪える。

中島はどうやら若いうちは美術で大成しようと色々夢があったものの、いろいろな汚いものに塗れているうち、ひねくれちゃって欲望の塊になってしまったよう。

中島のもとで働く美沙に「立派な先生に紹介してあげる」などと都合のいい甘い言葉をかけて、チカラになってあげる気もないくせに関係を持っている中島…(ゴクリ)


ろくでもない画商の中島をやりこめようと考えた森田。まず帝日銀行の土門頭取(大石吾朗)からおよそ10億の価値を持つセザンヌの【ジャ・ド・ブッファンの眺め】を騙し取る。そして、その絵の売買を中島に持ち掛けることに。

セザンヌに精通した中島のこと、この提案嬉しくないはずはない。眼に自信もある。だが、森田は本物のセザンヌを簡単に売るつもりはない。精巧にできた贋作と、美沙に依頼した贋作を用意し、『本物を含めた3枚の絵から本物を選び、当てられたら売買成立』というギャンブルを提案するのだった。

中島に至近距離で鑑定されたのではすぐ本物を見抜いてしまうので簡単だと森田は中島を褒めつつ、画商としてのプライドを揺さぶるような条件を出す。その条件とは

・3枚のうち1枚は布で隠す
・部屋の明かりは最小限で薄暗い中で鑑定する
・鑑定は絵から10mの距離で行う

この条件をのんだ中島だったが、さすがに難易度が高すぎる。中島はあらかじめ額装に印をつけるなどしてインチキをしていたが、それでも鑑定は難しかった。疑心暗鬼になる中島に、森田は助け舟として、セザンヌまでの距離を売る」と言い出す。

それは「100万円の札束で金の橋を作り、絵画との距離を詰めていい」という追加条件だった。手持ちの軍資金を使いどんどん絵画に近づく中島だったが苦しい状況に追い詰められて…

「札束で橋を作っていい」というアイディア、なかなかしびれる。

佐野さん演じる中島と森田の勝敗はどうなったのか。
是非配信などでご確認いただければと思う


さて、恒例の佐野さんの見どころ

インテリ悪徳画商…というのがもうしびれる設定なのですが(笑)
画廊に働く画家の卵・美沙を言いくるめて自分の女にしている
このクズ設定最高ですね!(そこかよ)

画廊の事務所でナニしてしまいますからね!(爆)

工藤はこのクズ設定に
(そっちのほう現役なんだな~こんな歳離れてる女性と…タフだね!)
と変な方向に萌えるダメな奴です…

ちなみに、流れたシーンは事後で、美沙は布をまとっただけの状態でしたが、佐野さんは着衣した状態だったので激しいラブシーンではありません…

ですが…佐野さんは(うわべだけの)優しい言葉をかけてあげたあと、
美沙のおでこにおでこをくっつけて…
※前回書いたとき一部妄想捏造があったので修正(笑)

やってることはクズなのですが
ところどころ萌える!!(笑)
参りました。さすがです。

この事務所でナニをしているシーンでは、中島と美沙がそういう男女の関係だということを端的に表現したシーンではありますが…

・ホテルに行かずに事務所でことを済ませてること
・事務所に女の子の下着や服が無造作に散らばっていること

この描写、単純に「男女の関係だよ!」ってことだけじゃなく
中島という男が「こういう環境」で女性を抱けるような性格(性欲)で、この女性を「その程度にしか思っていない(雑な扱い)」ってことがわかるんじゃないかと。このシーンだけかなりグッとくるものがあります。

ただ、佐野さんは女の子への触れ方が「優しい」んで…クズ男とは思えないしなやかさがにじみ出ちゃってますけど!(変態的な感想)

あと、佐野さんが絵のお勉強をしていた経験があり、美学校でひたすら鉛筆で静物画をカリカリと描いていたというエピソードなどを知っているし、日ごろTwitterInstagramでよく展覧会などに足を運んでいらっしゃるのを観ているためか、画商の役、雰囲気あります。雰囲気は素敵なんだけどな~。

クズじゃない、ちょっとイケてるインテリの素敵なおじさまとかもっと演じてほしいですけど…だめですか?(笑)


佐野史郎さんの役どころデータ

役名:中島明夫(なかじまあきお)
職業:画商・中島画廊を営む
女性関係:青木美沙(鉢嶺杏奈)中島画廊の店員。肉体関係にある。

ちなみに、主役の池松壮亮さんとは、2013年公開の映画「この世に俺/僕だけ」などで共演されてます。この映画で池松さんの父親は羽場裕一さんで、羽場さんは佐野さんのおかげで出世している…という間柄でした。佐野さんと羽場さんが共演していると意味もなくドキドキしちゃう【誰にも言えない】フリーク工藤です。いずれはその映画についても書きますね。