S.R.I(ShiroSano Research Institute)

佐野史郎さんを愛し、佐野さん出演作を研究する研究所

夢の祭り(1989)

夢の祭り

作品データ

公開日:1989年6月24日
制作:原正人 村上光一
配給:ヘラルド・エース 日本ヘラルド映画
監督:長部日出雄
脚本:長部日出雄
製作:フジテレビジョン ヘラルド・エース
音楽:横田年昭
撮影:田村正毅
美術:山口修
衣裳:ワダエミ
助監督:門奈克雄
出演:柴田恭兵 有森也実 佐野史郎 織本順吉 馬渕晴子 北村和夫
宮下順子 左時枝 明石家さんま 佐藤慶 加賀まりこ ほか

作品のあらすじ

舞台は昭和初期の津軽の山村。津軽三味線にの魅力にとりつかれた小作人の息子・健吉(柴田恭兵)は練習する三味線すら持っていないにもかかわらず、隣村の地主の息子・勇造(佐野史郎)に祭りの三味線競争で勝つことを夢みていた。健吉はついに父(織本順吉)に三味線を買ってもらい、ボサマ(牧良介)という師匠とめぐり逢って、ますます三味線にのめりこむ。そんな中健吉はちよ(有森也実)という恋仲の幼なじみをめぐって勇造と三味線競争で決着をつけることになるが、三味線競争当日、勇造は健吉のつくった三味線のフレーズを盗んで演奏し、健吉は動揺。三味線競争は勇造の勝利に終わる。健吉は修行を決意し、ちよに1年待っていてほしいと告げて旅立つ。ボサマとその娘のみよと共に三味線旅行に旅立った健吉だったが、旅の途中でボサマは病に倒れ、自分より三味線の上手い津村信作(佐藤慶)を訪ねるよう遺言を残し息絶える。やっとの思いで津村を探し当てた健吉だったが、津村は健吉に三味線を持たせず、弾いてはならぬといい三味線を教えようともしない。津村と同居する謎の女・ゆき(加賀まりこ)の色気と三味線を弾けない苛立ちとで悶々とする感情は健吉を夜の森の中へと向かわせる。禁を破りひそかに三味線の練習に励む健吉に、津村は一度だけ津軽一と言われる腕を披露し、「自分より腕の立つものがいると意識し弾くこと」を教える。修行を終えた健吉は、秋祭りの日、村へ帰り勇造と再び三味線競争を。しかし、三味線競争の直前に勇造の仲間が健吉の弦に切り込みをいれていて…

映画の見どころ(独断と偏見)

この映画は柴田恭兵さんが主演で、現在のとこDVDソフトもリリースされておらず情報が少なかったのですが、
佐野史郎さんが柴田恭兵さんのライバル!
佐野史郎さんが三味線を演奏するシーンがある!
という情報を仕入れたとき、工藤は思いました。

「これは絶対観たい!」

ただ、オークションでもしばらくはプレミア価格気味なので、観れるようになるまで苦労しましたね…最終的には比較的良心的な価格でVHSソフトとLDソフトを手に入れることができ鑑賞にこぎつけることができたのでした。
※この映画DVDソフト出した方がいいと思うんですけどどう思います?皆さん?

この作品は直木賞作家で映画評論家でもある長部日出雄さんの唯一の映画監督作品ということで…津軽三味線という題材だし、昭和初期の日本を舞台にしているから、ノスタルジックなお話?と思っていたのですが、良い意味で裏切られました。


「ファンタジー・バトル」というのが工藤の感想。

男同士の三味線の戦い。「ドラゴンボール」みたいなんですよ。ひたすらピュアで強くなることにワクワクし修行を積む悟空と、もともと素質はありチカラもあるのだがプライドが高く素直じゃないベジータがぶつかりあってる感じ(笑)ワダエミさんの衣装もちょっとファンタジーっぽさを手伝ってるかもしれない。

この作品の佐野さんの役どころは『金持ちのいけ好かない、やり方が卑怯な、嫌な感じのおぼっちゃん』正直大好きな佐野さんとは言え「なんだよこいつ…(イラッ)」という気持ちになってしまい大変つらい…佐野さん出演作鑑賞ではよくある現象…なのですが、恭兵さんの演じる健吉がものすごくピュアに見えるのは、佐野さんが勇造をひたすら嫌な奴に演じてくれているからですよね!と称賛しながら観ることにしています。

とにかく佐野さんの三味線弾くお姿が素敵でたまらなく好きです。三味線競争で、最初余裕かましている感じだったのに、だんだん追い詰められて汗だくになって、オールバックにしていた髪が乱れ前髪がおりてくるんですが、すごく色っぽいの!ほんとよ。そこは本当に見どころ(笑)

ちなみに嫌な奴だった勇造もライバルとの熾烈な三味線競争を経て最終的には、ちゃんと「ごめんなさい」が言えるいい子になるんですが、そこも好きですね。

なお、この映画のために佐野さんはかなり三味線を練習したと風の噂でききました。津軽弁もたぶん大変だったと思うんだな。(過去にどなたかが、佐野さんの台本らしきものを所有していてブログに公開されていたんだけど、びっしりメモが書いてあった記憶)

また恭兵さんも「あぶない刑事」の現場に三味線を持ち込んで練習していたそうな。実際の演奏(音)は吹き替えのようなんですけど、演奏シーンが結構長いし、アップで撮るし、嘘ができないんですよね。

恭兵さんファンにも結構人気の映画だと思いますし、2011年にニュープリントして上映したこともあるみたいなんで、ちょっとそろそろDVDソフトとか出してもらえませんかね。クラウドファンディングとかで復活できるんだったら協力するんですけど…

佐野史郎さんの役どころデータ

役名:勇造
職業:村の地主の息子・お山の大将
女性関係:ちよ(有森也実)が好きなんだけど振り向いてもらえない…ツンデレかも